ガラパゴスの中にもガラパゴス

「ガラパゴスで何が悪い」と言う前に、もう一度考え直してほしいこと。:Speed Feed:オルタナティブ・ブログ

日本のケータイはガラパゴスでいつかiPhoneやAndoroidに食われるとか。まるでPC98がDOSVに食われる前の日を見てるようだ。って言う人はよくいるけどそれどーなん?って話。僕も今の日本のケータイって全然おもしろくないし、iPhoneのようなスマートフォンがおもしろいと思う。

ネット上でこそ、そういった論調は多数派に思えるけども、全体からすればたぶん少数派意見。たぶん一番の派閥は

そもそも壊れない限り新しい携帯が欲しいと思わない派。

メールと電話は5年以上前の携帯から既にできるわけで、まあ5年も使ってりゃ電池がヘタったり、物理的にボコボコになるから買い換えるんだろうど、そういった理由でもない限りそもそも新しい端末が欲しいとは思わない。

後はデザイン的に買い換える人は多いかも。ここ1〜2年でスリムな携帯って増えたから、以前のやぼったいやつ(2Gとか初期FOMA、90x系)から、機能的に大きく進歩してなくても70x系のやつ。

そういう人は携帯に現状維持以外のなにも求めてない。現状維持=今の携帯と同じようなもの。結構よく聞くのが以前PだったからPにしようとか。

まあ他にもビジネスで使うよ派とかいろいろ派閥はあると思うけど、見逃せないのが

若年層。中学生・高校生・大学生あたりのケータイないと死んじゃうよ派

この辺の層はパソコンでインターネットするより先にケータイでimodeしてるし、メールといえば携帯のメールだし、QWERTY配列でタイピングは無理でもテンキーで打つのは苦じゃない。ケータイというツールを大人よりも使いこなしてる。

彼らのネットワークは、確かにHTTPでインターネットを使っているけども、PCでつながってたWWWとは孤立したネットワークになっている。基盤技術こそ同じだけど、その上で表現されているものが全く違うのはデコメなんかがいい例で、ただのHTMLのメールなのに、アニメーションGIFを使ったかわいい絵文字をちりばめて、派手に見せるってすごい。それを見るのも作るのもインターフェイスはプレーンテキストとほとんど変わらない。それになれている彼ら、彼女らからすればそんなこともできない。iPhoneになんの魅力も感じない。

ちょい話を戻して、コミュニティの閉鎖性。PCではある程度RSSソーシャルブックマーク、ニュースサイトといったもので、情報が伝播するようになっているけども、携帯の世界にはそんなものはないから、口コミだけで情報が伝播して、それらが大人に伝わることなく、彼らのコミュニティの中で閉じている。そこで表現される内容もなにもかも閉鎖的なコミュニティを築いてる(PC側からすると覗くことができない彼らを閉じていると表現するしかないけども、彼らからすると閉じているつもりは全くない?)。その中で限られたリソースを最大活用しているように思えるし、マネー的にも結構動いてるっぽいんだよねこれが。

これらのコミュニティに関して大人は全く知らないこと、学校裏サイトとかそんなレベルじゃなく。海外の情報を仕入れて、日本のケータイはダメだと言えてる人は、まだガラパゴスレベルが低い。若年層のケータイしか知らない人は、今のケータイが世界の全てだと本当に思ってると思う。パソコンはパソコンで自分と(自分のケータイと)はまた別の世界、大人になったら使うのかなぁ……?くらい?これが本当のガラパゴスだと思う。

断絶した両者が歩み寄ることができるとすれば、ひとつは両者のプラットフォームの違いを意識せず、両方使う人が出てくるサービスで人と人が交流することかな。その点mixiはすごいと思う。あるいは、携帯にPC側の技術を強制するiPhoneのような端末を若年層に浸透させることができれば、また話は別だけども……。

でも結局ネットワークって電子的なネットワークじゃなくて人と人のネットワークだから、例えばmixiで10代と40代は交流しないように、やっぱりジェネレーションギャップによるコミュニケーションの断絶、を発端とする文化的な断絶は永遠に埋まらないかもね。

今の日本のケータイはバランスがいい。iPhoneもあるしWindowsMobileもある、多くの人は普通のケータイ買うだろうけど選択肢としてはあるんだから好きなの使えばいいじゃない。←結論



あー、さらに男性と女性とか話を分けると、もうちっと話がながくなりそうだけど、既にまとまりがないからやめよう。